「席につけー」


先生が入ってきて皆は急いで自分の席に。




はぁぁぁー…



朝から振り回されてクタクタ…
早く家帰ってシャワー浴びてベッドに飛び込みたーい!


お昼の時間、私は友達とランチタイム。
あ、本当の友達じゃないからね?




「かりんのお弁当可愛い〜!」

「みさとのお弁当も可愛いじゃん〜」

「今日抜き打ちテストあってキツかったよねー」

「そうそうー!何も予習してなかったし」



普通の会話をしながら、お弁当を食べていると



「ねー、かりん」

「ん?」




友達の中の1人が私に話しかける。




「私、演劇部なんだけどね?
ヒロイン役の子がインフルエンザで今度の文化祭に間に合わなくて、その代理の子を探してるんだけど…かりんやってくれない?」




「えぇっ?なんで私なの?」





演技とか面倒くさそー…




「一週間でセリフ覚えられる人ってかりんぐらいかなって思って。あと、美人だし!」


「確かにー!かりんならヒロイン役ピッタリじゃん!」



他の友達も話に入る。





えー…無理なんだけど……

普通の私なら完全に断るけど、今の私はONモードだから断れない。




「いいよ!演技にちょっと興味あったし♪」



全然興味なんてこれっぽっちもないけどね。

笑顔でニッコリオッケーを出す。



「ありがとー!」





本心丸見え…。

私を選んだ理由って
他の人なら断られるけど、かりんなら絶対断らないって思っただけでしょ?


上等じゃん。
私の名演技舐めないでよね
日頃から、演技し続けてるんだから。