桂山は無言で歩いていく。



あー…
マジでストレスたまるわ。コイツ。




「ていうか、あんたは何で私のこと身破けたわけ？
それに、脅迫してまで付き合えってバカすぎるんだけど。普通に言えばいいだけだし。」


「普通に言ったらフるだろ？
身破けたのは、好きだからずっと見てたら、たまたま身破けただけ。
ただ、そんだけ。」



「……ふーん…」





たまたま…ねぇ……。





「ていうか、さっきから俺ばっか答えてるじゃん…。
今度は俺が質問するから。」



「…いーよ。じゃあハイどーぞ」




歩きながら喋り続ける。





今までの奴らは下心丸見えでなに考えてるかわかったのに、コイツは…コイツだけは分からない。


心の中が見えない

読めない


この時の私はまだ恋を知らなかった…
いや、恋から逃げてきたんだ
自分を守るために。


コイツの心が読めなかったのは
心がキレイすぎるからなんだ…