しゃがみこんでからどれくらいたったかな…???




少し冷静になった頭で考えた…




すると雨がやんだ。




正確には私の周りだけ雨があたらなくなった。




きっと誰かが傘をさしてくれてるんだ…




そう思って顔を上げた。




『えっ…???』




視界にうつったのは背の高いカッコいい人。




肌が白くて綺麗で鼻筋もとおってて

何より今の私からは程遠いであろう強い意思を感じる切れ長のきれいな目。




目が逸らせなかった。
思わず見入ってしまうなにかがあった。





「どうしたん???風邪引くで???」

『あっ…すいません…ありがとうございます。』




声をかけられて我にかえった。



びしょびしょなんだ今の自分。





「とりあえず…どっかいこか???」



そう言ってその人は私の腕をつかんで立たせると歩き出した。



『えっちょっと!!』




灰色の街に雨の音だけが響いてた。