久しぶりだね初対面

授業の合間の休憩の度に双葉は俺に会いに来て、俺も双葉が会いに来るのが愉しみだった。

クラスメイト達は、昨日の大喧嘩していた俺と双葉を見ていただけに、狐につままれたような顔をしていたが、そんなのは気にならない。

双葉も、昨日とはまるで違う俺の態度に戸惑いながらも、その事は然程気にしていない様子だった。

双葉にとって、もう昨日の事はどうでもいいんだろう。

ずっと想い続けていた相手が、やっと自分の事を見てくれた。

やっと自分の事を思い出してくれた。

その事で、全てがチャラになるんだろう。

俺を見つめてくれる双葉の表情は、本当に幸せそのものだった。

…だが、俺は幸せにどっぷり浸かってしまうわけには、まだいかなかった。

大切な事が、まだ残っている。

犯人探し。

その使命が残されている。