久しぶりだね初対面

双葉の俺を見ている目は、少し潤んでいるようにも見えた。

「たった一回会っただけなのに馬鹿みたいって久我君は思うかもしれないけど…私はずっと忘れられなかった。名前も知らない久我君の事、ずっとずっと想ってた。時間さえあれば、いつもお守りにお願いしてたの。また久我君に会えますようにって」

そう言って彼女がポケットから出したのは、あのキーホルダーだった。

やっぱり、彼女はずっと持っていたんだ。

11年前に俺が何の気なしにやったキーホルダーを、ずっと、ずっと…。

「ほんと言うと、さっき久我君とまた会えた時は、嬉しくて泣きそうだった。もう会えないと思っていたから…絶対奇跡だって思った。今日のことは絶対忘れられないよ…きっと一生忘れられない」