久しぶりだね初対面

「貴方…あの時の…!」

双葉の方も、俺の事を覚えていた。

俺にとってはついさっき、この時代の双葉にとっては、一、二年前に、会ったばかりだ。

「嘘みたい…私の携帯拾ってくれたのが、貴方だったなんて…」

双葉は信じられない、といった驚きまじりの表情で微笑んだ。

俺も微笑む。

「ああ…驚いた。久しぶりだな、ふた…じゃなかった、伊藤、だったかな?」

俺がそう言うと、彼女は首を横に振った。

「もう、伊藤じゃないよ」

彼女は苦笑した。

「もう私は双葉になったの」