久しぶりだね初対面

待つ事三十分。

「あの」

何だか聞きおぼえのあるような声に、俺は振り返る。

「ああ、携帯落とした子?」

言いながらその彼女の顔を見て。

「あ」

俺は思わず声を上げた。

「あぁっ…!?」

女の子の方も声を上げる。

それは、偶然というにはあまりにも出来すぎていた。

絶対こうなるように、誰かが仕組んだんだ。

そう思うしかないほど、その遭遇は驚きだった。

携帯を落とし、俺に拾われ、受け取りに来た女の子は…双葉だった。

俺の時代から見て、一年前…中学三年生の双葉。