―――――某日。




 実はいうと、だ。

 私のもとに眼鏡が戻り、いつもと変わらない日常が戻ってきたのだが……変わったことがある。




 それは。
 私と樹くんとの関係である。


 眼鏡を壊わすという事件から始まった関係は、眼鏡が手元に来た今も続いている。

 本当、何がきっかけとなるかわからないというねには、こういうことを言うのだろう。

 あの日樹くんに眼鏡を壊されなかったら、今こうして樹くんとならんで講義室へ向かうことらなかっだろう。樹くんに兄弟がいることや、剣道をやっていただなんていうことも知らずに、ただの"他人"だったはずだ。


 私はあの日に感謝しているのだ。
 あのおかげで、私は。






 ――――見た目は大切だと思う。
 同じように中身だって大事だ。