まだ何も知らないけど…

『悠歩おっはよ。』
『えっ?竜?来たんだ』
なんか気味の悪い制服を着崩したグループがこっちへ向かってくる。
「りゅーちゃーんお前の彼女か?」
『違いますよー。昨日話した俺が助けてやったやつですよ。』
「そぉーだよね。りゅーちゃーんがお嬢様のこと好きになるわけねーもんな」


そうだよね…あたしがいくら竜の事好きになっても届かないよね。この想いは…

『悠歩?気にしなくていいよ』
『えっ?』
『だから、俺別に悠歩の事を嫌いって言ってないし…』

ん?それってあたしの事好きってこと?いやっ…そんなことないっか…
余計なこと考えない…

『ねー。竜?もうあたしに関わらないで』
『なんでだよ?きにすんなって言っただろ?』
『うんん。そーいうことじゃないよ。あたしと竜は住む世界が違うの』
『そんなことねーよ。』
『で、でもいいの…竜?あたしね、あたし竜の事好きだったんだよ』
『はっ?』
『…皆から悠歩と竜の住む世界が違うって言われるたび諦めてたでもね、竜が助けてくれた時すっごいすっごい嬉しかったの…こんなに嬉しいことってあるんだって思ったよ。』
『…ふぅー。そんな風に思ってたんだな』
『ごめん…もう行くね。授業始まるし』『おう。』
ここで、ここで止めてよ…
悠歩行くなよって止めてよ…
あたしは竜だけを見ていたいの…
あたしちゃんと思い伝えたよ…