「あ。そうだ。あんたに話したくて来たんじゃなかった」
和田が俺に向かって言った。
───そんなにズバッと言わないで…
「エ?何?」
「名前は言わんとくけん。今から出すヒントだけで考えてみ。ラブレター預かったけんば。
ヒント1。4.5.6.年生。ヒント2。ポニーテール。ヒント3。2組。ヒント5…」
ここで和田が身を屈めて…
「私の苦手なひと。」
─────とボソッと言った。
「さてだーれだ。」
文字の形もヒントになるとね。
と言いながら真っ赤かな封筒を渡した。
「んじゃ」
──と言いながを身を翻していってしまった。
和田がいたところには甘いバラの香りが漂う。
ホントにバラの香りか分かんないけど。
