凜音side


「凜音!楓ちゃんが原因不明の病で倒れたって…」

………え?
聞かされたのは衝撃的な内容だった
しかも治るのは愚か助かる見込みすらないときた

「ねぇどうして毎日ここにくるの?」

お前が心配でたまらねぇんだよ
とは言えない いや、言わない
楓は俺をただの幼馴染みとしてしか見てないのを知ってる。
親友の新がこいつの彼氏だってことも知ってる

何度もここにくる理由を尋ねる彼女に俺は答えない


そんな同じ様な日々を過ごしているともう余命が一週間を切った
内心焦りまくりの動揺しまくりなのを得意のポーカーフェイスで隠す。
口を開くと気が緩んで色々とヤバイから自然と無口になってしまう。

そういや新に「お前のそれがいらない勘違いを招くんだよ。自覚ねぇのかよばぁーか」とか言われた事があるな

そんな事を考えていると楓の頬に涙が伝う。


気付けば俺は楓にキスをして抱き締めていた

「…し、もう少し、もう少しだけこのまま」
「……うん」

また楓の赤く柔らかい唇自分のそれを重ねる



楓の病を俺に移すかの様に






その後俺は死んだ
呼吸困難等今迄あいつにでた症状全てが出た

俺に移すことであいつが生きられるなら本望だった

話によると楓はあの時病気自体がなかったかのように治り始め退院をしたそうな


……あいつ泣くんだろうな
けど最後にずっと伝えられなかった思いを伝えられて後悔なんてなかった


ありがとう


君を好きでいさせてくれて






「ねえ」

「…ん?」

「何で…キスなんてしたの?」

「え?…そりゃぁ」

『幸せになってほしいから』


_____お前が笑顔でいてくれるならそれでいい____