いつの間にか教室には私たち二人だけしかいなかった。 「…私」 席から立ち上がり彼にこう言った。 「私って…おもしろいのかな。」 「え…?うーん。俺はおもしろかったよ?」 「そ、そっか…。」 私、誰かを笑わすことができたんだ。 「田中さん。笑った?」 え? 彼が私の顔を覗いてきた。 !? 「わ、笑ってないよっ。」 私は自分の机に積まれた教科書全部を手に持って、急いで教室を出た。 …というか 逃げてしまった。