王子様を独占中。




「だ、だから何もないって...。」

すると航大が「あっ!」と言った。

「なに、どしたの?」

「そーいや、豊広場の近くに、明成高校ってあるよな?」

うっ....今の俺に感づく言葉を...。

でも、素っ気ないフリをした。

「あー、そうだなぁ-。」

龍陽がつぶやく。

そして、またあのニヤリとした顔を見せる。

「まさかお前、明成高校の後輩に彼女がいるとか....。」

またそれかっ。

「いないっつーの!」

確かに知ってる後輩なら山ほどいるけど...。

「マジでいないのー?彼女。」

子どもみたいに拗ねる龍陽。

乙女かっ!!

「いない、いない。」

....気になる子ならいるけど。

「ぜーったいウソだ。彼女じゃなくても、気になる子がいるとか?」

__ガタッ

勢いよくパイプいすから立ち上がった。

あっ、やべ。

「おー?その反応はいるんだな?」

他のメンバーも、「マジで-」とか「名前はー?」とかいろいろ聞いてくる。