あたしは

松野夢香。


分かってると思うけど


生まれつきの魔女。


でもこのことは
周りの人間には秘密。


あたしの家は魔女一家。


よくテレビであるような
急にあなたは魔女なのとか


告げらたのではなく、


小さい頃から

自分は魔女というのが

当たり前で育ってきた。




ただ、
あたしの家では
16歳になったら独り立ち。


これがしきたりだった。



16歳の誕生日が過ぎ、


今は森の奥の家で暮らしてる。


ルーモと一緒に。





魔女がいるなら


ヴァンパイア、狼人間なんかも



もちろん存在する。


あたしと同じように
姿を隠してね。


人間の世界では、

魔女だとかは存在しないってのが



当たり前みたいだからね。



「行ってきますー。」


あたしは自転車にまたがり、


狭い道を降りていく。

あたしが通う高校まで


1時間ぐらいの距離。



入学して

夏休み目前。



あたしは普通に


女子高校生を演じている。



「夢香ーーー!」


自転車で走っていると

後ろから声をかけられた。