「白木花穂って、あの、先輩とかもわざわざ一年の階に見に来るほど可愛いって噂のヤツだろ?」


「そう。まあ、とんだメルヘン女だったってことよ」



そう言って、ふっと切なげに笑った俺のダチは、ついこの間まで白木花穂に惚れていたはず。




「ご愁傷様」


俺はなんて言っていいのかわからず、とりあえず、手を合わせた。

頭叩かれたけど。










で、なんでこんな話をするかっていうと。



さっきから俺の教室で、その白木花穂が例の占いをしているから。




しかも、一年経った今でもその人気は衰えるどころか、先輩から後輩まで、いろんなヤツが白木花穂のところに相談にきているという事実。



俺、占いって信じてないから、なんであそこまで人気なのか理解できないんだけど。