今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

 抱きしめるのがダメでも、手はいいよね。

 僕は解いた腕をおろすと、陽菜の手に触れる。
 手を握りしめて、

「ねっ、陽菜。今から帰るんでしょ? 遊びに行ってもいい?」

 うずうずと待ちきれない気持ちで尋ねた。

 どっちにしても遊びに行こうとは思っていたけど、こんなに早く会えるとは思わなったから、すっげー、嬉しい。

 しかも、街中でこんなに偶然に会えるなんて。
 見かけなかったら友達と遊びに行っていたからね。
 今日はついてるよね。

「いいけど、歩夢」

 よかった。
 このまま一緒に帰ろって言おうとしたら、待ったがかかった。