今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

「歩夢。お願いだから。離して」

 陽菜の本気の声がした。

 本気で嫌がってる。
 仕方ない、これ以上は止めとかなきゃね。
 あとが怖いから。

 機嫌を損ねたら、しばらく口を聞いてくれないし、家も出入り禁止になっちゃうんだよね。

 それに、陽菜を抱きしめられなくなったら困るし、嫌われたくないし。



 僕は渋々、自分の腕をほどいた。

 目の前には陽菜の顏。
 ほっとしている陽菜がいた。


 まっ、いいや。
 帰ってから、思う存分抱きしめよう。