「間に合ったのか?」

 試合会場の体育館に着いて俺は2階の観客席に直行。


 中に入ると、思っていたよりも結構な人数の観戦者の姿があった。
 6~7割くらいは埋まっているだろうか。


 自校の制服姿が目につく。
 招集がかかっていたのを思い出した。


 俺には資格がないからとスルーしていたから、日程も把握してなくて、航太からもイヤミのメールが届いたっけ。

 言われる通り、大人しくしていたのに。
 それはないよな。

 自校生で固まってる席があったけど、そこで賑々しく応援する気にはなれなかったから、なるべく離れた席を探した。



 ここなら静かに観戦できそうだな。

 端近くの席を見つけてそこに腰を落ち着けた。


 しばらくすると、俺の隣の2つの席に、誰かがパンフレットらしきものを置くのが見えた。
 何気なく見ると制服姿の女子と私服姿の男子が2人。

 女子高生と大学生?
 
男子の方は少し大人っぽく見えたから。

 彼女らは後ろの席に座った。


 ああ、席取りかと気づいたのは少しあとのこと。
 誰か知り合いが来るんだろう。