航太とは変わりなく友達関係は続いていたけれど、変わったのは昼休みと放課後。

 陽菜と一緒にいられなくなったこと。


 これがこんなにショックだとは思わなかった。

 陽菜の笑顔と陽菜の声、陽菜の姿。

 並んで歩いている時にちょっとだけ上を向いて俺を見る仕草。
 相槌を打って笑う顔も、甘えることを知らない陽菜も、バドミントンを頑張っている陽菜も。


 みんな愛おしくて、全てを包み込んであげたいと思う。


 こんな気持ち、今まで知らなかった。


 自分がしでかしてしまったことは、今さらナシには出来ないけど。


 謝っても謝り足りないことも充分承知の上。


 それでも、陽菜に会いたい。




 遅く感じる電車の中、俺はジリジリと駅に到着するのを待った。