今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

「そんなんだから、男子達は遠くから眺めているだけっていうか、神聖視されてるんだよな。あいつ、陽菜さまって呼ばれてるんだよ」

「陽菜さま? なんだ、それ」

「雲の上の存在が、自分達の学校にいる。みたいな感じで、感動しちゃってるからな。憧れやら尊敬やらいろんな感情がごちゃ混ぜになってるから、陽菜に対する特別感、ハンパないからなあ」

 こえっ。

 陽菜って近寄りがたい空気作り出してるのかよ。


 ちょっと天然入ったかわいい子じゃなかったのか?


「陽菜がなんかスゴイ選手だっていうのは分かったけど」

「今のは前置きだからな。それを踏まえてこれからの話を聞けよ」


 椅子に寄り掛かっていた航太が、上体を起こして背筋を伸ばしたと同時に凛とした瞳で俺を見た。