今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

「ごめん」

 謝るのが精一杯。
 他に言葉が出てこない。


「それともう1つ。昨日の一件で男子部も敵に回したから、覚悟しておけよ」

 って、何、そのバクダン。


 項垂れていた俺は思わず顔を上げた。


 男子部って?
 えっ?


「女子部も似たようなところはあると思うけど、男子部では陽菜のことは別格なんだよ。リスペクトされてんの」

「はっ?」

 意味がわかんないですけど?
 男子部にリスペクトって?


「悠斗って、おもしれえ。間抜けな顔してる」

 航太が、さも愉快そうに笑いだす。
 失礼なヤツだな。


「俺達の中では陽菜はスゴイ選手なんだよ。タイトルの数だけでもどんだけ持っているか。それだけでも充分に憧れの対象だよな。それに自分の実力を自慢することもないし、傲慢なところもないし、気遣いだってしてるしな。練習はもちろんだけど、準備も後片付けも誰よりも真面目にやってるよ。そんなとこ、みんな見てるんだよ」



 俺の知らない陽菜がそこにはいた。