今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

それってすごいことなんだよな?

陽菜にライバルが現れたってことか。
 戦績を聞くと敵なしって感じだったもんな。


「それだけでも衝撃的だったんだけど、ノーマークの無名の選手が決勝戦にあがってきて、それこそあっという間に優勝を攫っていくんだもんな。しかもダブルスとシングルスの両方。狐に抓まれたってこのことをいうのかなって思ったくらい、信じられなかった」

「……」

「陽菜はもっとショックだったよな、当事者だし。しばらく落ち込んでたからな。あの陽菜が負けた。ストレート負け。15点以上取れなかったから完敗だったよな。その時の残像が陽菜の中に残ってるんだよ。俺にも監督にもね」

「陽菜って引きずるタイプなのか?」

 次の日には、ケロッと忘れてしまっているように見えるんだけど。


「負けること自体が稀だからな。打たれ弱いっていうのもあるかもしれないな。陽菜は負け慣れてないから。それでもあれは強烈だった」