「何から話そうか」

 空席の目立つファミレスの一角。
 俺達は一番奥の目立たない片隅に座っていた。


 注文した料理が運ばれてきたところで、航太が口火を切った。

 今日は陽菜に会えないまま、一日が終わりそうだ。
 昨日のことをいろいろ考えて考えたけれど、答えは出なくて、陽菜に出会った頃からを思い返したりしていたら、夜が明けていた。


「まず、俺と陽菜の出会いからがいいかな」

 それは俺も気になるところだった。


「陽菜と会ったのは小4の頃、バドミントン部に入ったのがきっかけ。俺は初心者で陽菜はその頃から、実力は群を抜いてたな。とにかく上手だった。陽菜は5才からラケット握ったって言ってたから、当たり前かもしれないけど」

「5才……」



 そんな小さい頃から。