「悠斗、今日は誰と昼メシ食べようと思ってた?」

 少々の敵意を忍ばせて質問してみる。

「えっ? あっ……あの……」

 サッと顔色が変わって狼狽えたような声に俺はほくそ笑む。

 陽菜と食べるつもりだったのか?

 バカなヤツ。
 俺がそんなことさせるわけないだろ。

歩夢もな。 
 こんな時はあいつとも意見が合う。


「ペナルティ。しばらくはおとなしくしとけよ。陽菜の前に顔を出すな。ということで、俺が陽菜と食べるから。心配しなくていいぞ」

 言ってやったら、悠斗の顔が一気に曇った。

「陽菜からは聞いてない。約束してるのは俺で……」

 おまえもそこにこだわるのかよ。

 約束、約束って、この後に及んでそれを言うのか?

「おまえさあ、事の重大さわかってる? 俺達は真剣なの。目標に向かって頑張ってる最中なんだよ。軽く考えているヤツに引っ掻き回されたくないからな。邪魔するなよ」



 しゅんと項垂れた悠斗を見て、俺は大きな溜息をついた。