今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

「わかってる」

 女王様然とした沙弥佳が、案外やきもちやきだってことは知っている。

 陽菜がただの女友達に見えないって言われたことが何度もあったから。
 今回のことも、きっとそう見えてしまったんだろうなとは思ったけど。

 陽菜が苦しんでいる姿を見ながら、他の男にホイホイと任せられるはずがない。


 陽菜だけは特別。



「陽菜、ハグしよ」

 俺は陽菜の手をとって、歩道の端に連れて行った。

 さすがに道の真ん中はまずいだろう。

 バッグ類を下に置いて、俺は両手を広げる。

 突然の俺の行動に戸惑うように目を大きく見開いた。


「おまじない。陽菜がいつもしてくれてただろう? 試合前のあの儀式。今日は俺がしてあげる」

「ああ。懐かしいね」



 陽菜がその当時を思い出すように目を細めた。