今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

 いつもの聞きなれている言葉のはずなのに。

 驚いたのは、何の色も感じられない
 抑揚さえない声音だったから。



 視線と同じ。


 女独特の色を感じさせない。


 その瞳にも顏にも仕草にも
 纏わりつくような独特な媚も欲もなく。

 普通の女子達から受けるような、羨望も感激も
 ましてや、見惚れたりすることもなく、

 いつもの風景でも見るような
 淡々とした表情で。



 彼女は俺の目の前にいた。




 俺を見て無感動な女は初めてだった。