今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

「そんなこと思ってないよ。歩夢が優しいのは知ってる。どんな時でもわたしのこと考えてくれてる。歩夢がいてくれてよかったなって、いつも思ってるんだよ」

　思いもかけないことを言われて、ドキッと心臓が跳ねた。

「１人でしなきゃならない留守番も、お母さんと２人だけでしなきゃならなかった練習も、料理だってそうだし。他にも１人でしなくちゃいけないことはたくさんあるけど、歩夢がいてくれるから、寂しい思いをせずにやってこられたの。頑張れたの。だから歩夢にはとても感謝してるんだよ。普段はなかなかいえないけど」



　今、そんなことを言うの？


　反則過ぎるよ。


　つまらない嫉妬をして、なじるような言い方をしたのに。
　自分がとても狭量な人間に思えてしまう。



　そんな風に僕のこと、思ってくれているなんて、知らなかった。