遠慮しているのかもしれないけど。
 お弁当用のバッグだから小さいし軽いのも知っている。


 些細なことだけど、何かしてあげたかった。
 こんなことに慣れていないのかもしれない。

 
 つき合いは浅いけれど、頼ってほしいと思う。
 拒絶されるのは……カナシイ。



「陽菜。こういう時は甘えるんだよ」

 

 意外なセリフだったのか、


「そうなの?」


 って、陽菜はあどけない顔で何度も瞳を瞬かせた。


 反応が純粋すぎて、かわいすぎる。



「そうだよ。ほら、貸して」


 もう一度、手を差し出すと、控えめににこっと笑って、おそるおそるバッグを手渡してくれた。




 なんていうか、仕草がいちいち、初々しい。


 つられてこっちまで照れてしまう。

 なんとなく、陽菜と見つめ合ってしまった。



 照れくさそうな表情が何ともかわいらしくて、ずっと見つめていたいって思ってしまった。