今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

「陽菜がどうかしたのか?」

 途端に俺も不安になる。
 俺にはわからない陽菜の変化を感じているんだろうか。

「あっ。ううん、何がどうっていうわけではなくて、中学とは違って、高校って大変なところがあるんだろうなって思っただけ」

 不安になった気持ちが顔に出てたんだろう。
 歩夢は首を左右に振ると、気にするようなことでもないって顔をした。


「まあな、中学よりもレベルが高いから、練習もハードだし、いろんな意味で厳しいからな。全国レベルになるとそういうものだろうし、なあなあでやっていても、上達はしないし」


「そうなんだね。調子が良さそうだったらいいよ」


 俺の言葉から、何を感じ取ったのかはわからないけれど、
 ほっとしたような顔になった。


 
 そのあと、言葉が続かなくなって、沈黙が訪れた。



 沈黙の時間を紛らわすように、俺はぬるくなったココアを口にした。


 疲れているからだろう。
 いつもより甘いココアの味が体の中に染みていく。