「ご…ごめんなさい!ほんとはね!こんなことするつもりはなかったんだよ?」
どうやって弁解すればいいのだ…!
いや弁解したところで、後つけなかったことにはできないし…
「でもね、柊斗が大好きだから…大好きなんだよ」
これしか言えなくて
『わかって』とでも言うかのように
あたしは柊斗をぎゅっと抱きしめ返す。
柊斗は何かを考えてるのか何も返してくれない。
あたしはそんな状況が不安で仕方なくて
鼓動が激しく鳴る。
変なこと言っちゃったかな。
いきなり『大好き』なんて言い訳に聞こえちゃったのかな。
そんなこと考えてたら
「結菜」
名前を呼ばれたから顔を上げる。
柊斗の顔はにこにこと同時に真っ赤。
ど…どうして?!
「柊斗顔が…」
「あぁ…!!!もう結菜が嬉しいこと言うから!!後つけるとかどんだけ俺が好きなんだよー!」
「柊斗~~~~」
あたしの不安なんて打ち消すように
いっぱいぎゅってしてくれた。
大好きなぬくもり。
「まぁ俺の方が結菜のこと好きだろうけどね」
抱きしめてた体を離し、頭をぽんぽんする。
優しく優しく触れるその手には温かさも感じられる。
あたしは何であんなに不安になってたんだろう。
バカみたいに不安になってたな。
そんな必要もなかったのにね。

