何この展開。
まだ柊斗と付き合って全然経ってないのに…
もう壁が1つできてしまうのか。
「おい柊斗ー!いいのかよ一緒に帰るとか」
後ろから伊勢谷くんの声が。
あたしが物凄く思ってることを言ってくれた。
伊勢谷くんとあたしってテレパシーで繋がってるのかな。
「ん??まぁ大丈夫だろ。だって瑛美だぜ?」
「瑛美だぜ?って俺あの子のことなんも知らねぇからわかんねぇよ!!」
「あぁーまぁあいつはただの幼なじみだから大丈夫大丈夫」
「でも横橋さんが…横橋さん大丈夫なの??」
伊勢谷くんは人の気持ちを…って別に柊斗がそうじゃないってことじゃないんだけどね。
多分かなり浮かれてるんだ柊斗は。
「う…うん!大丈夫だよ!久しぶりで話したいことたくさんあるだろうしね!」
なんて言うものの本当は嫌だ。
だって好きじゃん絶対。
あたしはとんだお人好しだよこの野郎。
「ほら!結菜は心広いからさ!それに心配いらないし」
「そんなこと言って横橋さん離れちゃっても知らないからなー」
「は?!俺が離さないから!!」
ガッシリあたしを掴むかのように抱きつく。
「まぁ、変な隙見せんなよあの子に」
またしても…伊勢谷くんの弟子になろうかしら。
それになんか親友になれそうだよ…
「伊勢谷くん…ありがとう」
「え?!あぁ…うん!」
伊勢谷くんの方に振り向いたら顔が真っ赤だった。
「何直哉顔真っ赤にしてんだよ!!ふざけんなよ!?」
「あ!わりぃ…つい!」
柊斗が伊勢谷くんの頭をペシっと叩いてるとこを横目で見ながらも
不安でいっぱいになってた。
でも…あたしが柊斗を信じてあげなくちゃ。

