瑛美さんは少し悲しそうな顔してる。
なんでこんなことしてるの?とでも言いたげ。
この子はきっと…いや絶対柊斗が好きなんだろう。
柊斗はそんなことも知らずに
「あぁ瑛美!この子は俺の彼女!かわいいっしょ!」
あたしの頭をぽんぽんしながら言う。
「あ…そうなんだ!ほんとかわいい!柊斗女の子に興味ないと思ってたのに、いつの間に彼女できてたんだね!」
「まぁなー!俺には結菜しかいないんだよ」
そう言ってくれるのは嬉しい…けど瑛美さんの顔見ると
胸が締め付けられるような気持ちになる。
そんな瑛美さんは柊斗の言葉を聞いて怪訝そうな顔。
柊斗は1回瑛美さんの顔見ただけで、今はあたしの背中に顔を埋めてるから、見えてないのだろう。
「結菜ちゃんって言うんだ!あたし上村 瑛美!柊斗とは幼なじみなんだー!よろしくね」
さっきの顔とはうって変わって明るい声で言ってるから、少し怖いかも。
「あ、うん!あたしは横橋 結菜…です!よろしくね瑛美ちゃん!」
ここは普通にしなきゃだよね。
ここを乗り切ればきっと大丈夫!
そしたら思いがけない言葉が瑛美ちゃんから出てきた。
「あ!柊斗今日一緒に帰れる??久しぶりに話したいこといっぱいある!」
はい?!一緒に帰るって…
「え??まぁいいけど…」
埋めてた顔を上げそう答える。
いいの?!これっていいの?!
柊斗には隙ってもんがありすぎでしょ!
「やった♪じゃあ帰りね!」
そんな迷いをしてたらどんどん話が進んでしまい、柊斗と瑛美ちゃんが帰るのが決まってしまった。
あたしは崖に立たされることになってしまう。

