「結菜が俺のとこくるなんて珍しいね」
「横橋さん!ほんと珍しいねー!余程柊斗が好きなんだ?!」
「結菜!そうなの??」
後ろの席の伊勢谷くんも物珍しそうに言ってくる。
あたしはものすごいことをしたのかな。
それよりあたしの気持ちが行動に表れすぎちゃったらしい。
「結菜!どうなの?そうなの?ねぇねぇ結菜ー!」
早く答えろと言わんばかりに
るんるんで聞いてくるのは柊斗。
これは素直になるべきとこだろう。
「そうかもね??」
「結菜結菜結菜結菜…」
小言であたしの名前連呼してる。
なんかの呪文みたいだよ。
「よかったな柊斗!努力は報われるってお前が見本だよ!」
「結菜結菜結菜結菜…」
伊勢谷くんを無視して呪文唱え続けてる。
息継ぎしてるのかなとか思うくらい唱え続けてる。
あはは柊斗くん。
「あれ…柊斗??」
廊下から何やら聞き覚えのある声が…
あたしは瞬時にその声の方に視線を移す。
「柊斗その子誰…?」
普通に近寄って来たよ。
転入生の瑛美さん。
来ないで来ないで。
そんな心の狭い気持ちが出てくる。

