「あんたたち早速ですかー!」
そう言いながらやって来たのは聖奈。
呆れ口調だけど、顔はなんだか嬉しそう。
「聖奈おはよ!」
「おはよ!よかったね結菜」
「うん!ありがとね!聖奈のおかげだよ!」
聖奈とあたしの会話を聞いてる柊斗が不思議に思ったのか
「山本さんのおかげなの?」
聖奈とあたしを交互に見ながら言う。
あぁ…退学届のこと柊斗に言ってなかったんだ。
「あのね、退学届を破けって言ったの聖奈なんだよ」
後ろを見たら柊斗の目が一瞬見開いて
「そうだったんか!山本さん、結菜にそう言ってくれてありがとう!」
「いえいえ!でもほんとよかったー!キス見せられたけどねー」
そう言いながら、聖奈は自分の席に鞄を置き椅子に座る。
なぜか柊斗があたしの腰に回してる腕に力を入れて
「いると思わなかったんだよ。まぁ、いても普通にしただろうけど」
…してたんかい!!
でも、いるの覚えてたら、あたしが拒否してただろうな。
それにしても…ファーストキスを聖奈と田部くんに見られてたなんて…(今さら)。
聖奈がはぁとため息をついて
「付き合ってるからキスしてもいいけど、ココではやめてね!」
「わかってるから安心しな!」
ほんとに柊斗はわかってるのかな。
付き合う前にちゅーしたいちゅーした散々言ってたくらいだから
少しだけ不安になる。

