朝一で秘密基地に行ったから、まだ学校は始まっていない。
そして今日は、柊斗の彼女になって初めての学校。
いや…初めてなのかな?
それより。【彼女】って響きが良いっ。
なんか…柊斗の特別な1人になれたんだなって思う。
教室につくなり、伊勢谷くんが柊斗とあたしを発見して
真っ先にこっちに来た。
「おはよーーー!!柊斗お前…ほんとよかったよ…」
なんか今にも泣きそうな伊勢谷くん。
相当柊斗が心配だったんだろうな。
「そんな泣きそうな顔すんなよっ!直哉またよろしくな!」
「しゅ…柊斗ーーー!!」
その言葉を聞いた伊勢谷くんは、瞬時に柊斗へ抱きつく。
それを見たあたしは少し…いや結構苦笑いになってるに違いない。
「離せよ!!俺に抱きついて良いのは、結菜だけなんだかんな」
柊斗がそう言うと、伊勢谷くんは咄嗟に体を離し
“ へ? ”とでも言いたげな顔をした。
「柊斗…結菜って…もしかして!!!」
柊斗があたしの手をとり、指を絡め、それを伊勢谷くんに見せつけ
「こういうことだから。よろしく!」
伊勢谷くんは顔を赤くして
「ま…まじか…!よかったな柊斗…俺、うれしいよ」
またしても目を潤ませている。
前から思ってたけど、伊勢谷くんてものすごくいい人だと思う。