心の底から君が好き②



大量の資料を運ぶのに、軽く30分はかかったと思う。

疲れ果てたあたしは、資料室に座り込む。

それを見た柊斗が



「なつかしいなーこの光景」



昔のアルバムを見てるかのように言った。

この光景って資料室。思い出なんてあったのかな。



「なにか思い出でもあるの?」


やっぱり聞かずにはいられない。

そしたらあたしの目の前に座り、あぐらをかいて



「結菜覚えてない?夏休み前のこと」


夏休み前…



「俺が久しぶりに学校来て、江本に頼まれた資料を結菜も手伝ってくれたじゃん」

「あぁ!もちろん覚えてるよ!!柊斗ものすごく困った顔してたんだもん」



あの時初めて柊斗と絡んで

冷たい人なのかなって印象だったな。



「あの時から俺、結菜が好きだったんだよ」

「え?!そうなの??」


この話しは聞いたことない。

だからあたしは目を見開いて柊斗をガン見。


「うん。結菜の笑顔に惚れたんかな」


笑顔…それも初めて聞いたから

あたしの鼓動がトクントクンと早く鳴ってる。


1つ思ったことを聞いてみる


「柊斗さ、2学期からキャラが全然違うって思ったけど…無理してたの??」


ほんとの柊斗がわからないって思って、とまどった時も正直ある。

今は大分落ち着いてる感じ。



「無理はしてないけど…とにかく結菜に濃い印象を持たせたくてね!夏休み中いろいろ作戦練ったかいがあったよ!!」



作戦なんて練ってたの。

でもあたしのことずっと考えててくれたんだ。

なんだか嬉しいなんて思ってしまう。