心の底から君が好き②



そしたら担任が『異議あり!』とでも言うかのように、教卓をバンバン叩き


「お前らなぁー、俺が裏で汗水たらしていろんな教材運んでるの知らないだろ?!」


汗水って…どんだけ資料やら教材あるんだよ!と突っ込みたくなる。

柊斗はあたしに抱きついた状態のまま



「そんなん知らねーよ。とりあえず仕方ないから運んでやるから、もう黙って」

「お、おう…頼んだ…」



さっきまでめんどくさいって言ってたのに、いきなり了承したからか

担任は呆気にとられてる。



なんだかその光景がおもしろい。

周りのみんなも同じことを思ったのか笑ってる。



「柊斗うまく丸めこんじゃったね。」


あたしは担任に聞こえないように小声で言う。


「めんどいけど、江本の話し聞く方がめんどいからね」


にこにこしながら言ってるけど

あたしもそれには『異議なし!』だよ。

担任のお説教は長いので耳がおかしくなりそうだから。




正気に戻ったらしい担任が


「まぁいい!とりあえず今日は終わりだ!相川と横橋はサボらずにちゃんと持って行けよ!」

「「はーい」」


そう言ってHRも無事に終了。



担任がいなくなり、聖奈が後ろ向いてきて


「あんたたちって、ある意味名物のカップルになりそうだね」


楽しそうな顔しながら言う。


「えー??あたしの中では聖奈と田部くんが名物カップルだよ?」

「そっちの方が『えー??』だよ!あたしと俊希は普通じゃん」

「それって…柊斗とあたしが普通じゃないってこと?」


変なカップルってこと?あたしたちって…

ふ、普通がいいよ普通が。