そしたら担任が『異議あり!』とでも言うかのように、教卓をバンバン叩き
「お前らなぁー、俺が裏で汗水たらしていろんな教材運んでるの知らないだろ?!」
汗水って…どんだけ資料やら教材あるんだよ!と突っ込みたくなる。
柊斗はあたしに抱きついた状態のまま
「そんなん知らねーよ。とりあえず仕方ないから運んでやるから、もう黙って」
「お、おう…頼んだ…」
さっきまでめんどくさいって言ってたのに、いきなり了承したからか
担任は呆気にとられてる。
なんだかその光景がおもしろい。
周りのみんなも同じことを思ったのか笑ってる。
「柊斗うまく丸めこんじゃったね。」
あたしは担任に聞こえないように小声で言う。
「めんどいけど、江本の話し聞く方がめんどいからね」
にこにこしながら言ってるけど
あたしもそれには『異議なし!』だよ。
担任のお説教は長いので耳がおかしくなりそうだから。
正気に戻ったらしい担任が
「まぁいい!とりあえず今日は終わりだ!相川と横橋はサボらずにちゃんと持って行けよ!」
「「はーい」」
そう言ってHRも無事に終了。
担任がいなくなり、聖奈が後ろ向いてきて
「あんたたちって、ある意味名物のカップルになりそうだね」
楽しそうな顔しながら言う。
「えー??あたしの中では聖奈と田部くんが名物カップルだよ?」
「そっちの方が『えー??』だよ!あたしと俊希は普通じゃん」
「それって…柊斗とあたしが普通じゃないってこと?」
変なカップルってこと?あたしたちって…
ふ、普通がいいよ普通が。

