眠くて睡魔と闘いながらも
なんとか授業を受けてやっとこ帰りのHR。
担任の話の途中なのに柊斗はあたしの席に来て
「こら相川!!まだ挨拶終わってないだろ!」
担任は普段もでかい声なのに、その声を更にでかくして言う。
柊斗が耳を人差し指でおさえながら
「わかってるけど…俺の恋心をわかってくれよ先生」
そう言いながら、後ろからあたしに抱きついてきた。
担任の前でこんなことしないでよ!赤面。
呆れた顔をした担任が
「お前らよく俺の前でいちゃこけるな!!罰として…」
げっ!!この『罰として』って言葉本気で聞きたくなかったよ。
お願いだから
『なんちゃってー!お前らほんとうらやましいなこの野郎!俺にも幸せ分けろ!ガハハ!』
そう言って…お願い。担任様。
そんなあたしの希望は儚くも散り
「今廊下にある教材を資料室に運べ!!わかったな?!」
はは…わかってたよ。
廊下になんでか大量の何かが置いてあるなって思ってたもん。
絶対に誰かがぱしられるなんて薄々気づいてたもん。
柊斗はあからさまに嫌な顔をして
「めんどくせぇーよ。なんで江本自分で持ってがねぇの?」
あたしもそれはものすごく思ってた。
担任が自分で運んでるのを見たことない。
「あたしもそれ思う!!」
だからあたしも柊斗に便乗して言う。

