心の底から君が好き②



眠くて睡魔と闘いながらも

なんとか授業を受けてやっとこ帰りのHR。


担任の話の途中なのに柊斗はあたしの席に来て



「こら相川!!まだ挨拶終わってないだろ!」



担任は普段もでかい声なのに、その声を更にでかくして言う。

柊斗が耳を人差し指でおさえながら


「わかってるけど…俺の恋心をわかってくれよ先生」


そう言いながら、後ろからあたしに抱きついてきた。

担任の前でこんなことしないでよ!赤面。


呆れた顔をした担任が



「お前らよく俺の前でいちゃこけるな!!罰として…」



げっ!!この『罰として』って言葉本気で聞きたくなかったよ。

お願いだから


『なんちゃってー!お前らほんとうらやましいなこの野郎!俺にも幸せ分けろ!ガハハ!』

そう言って…お願い。担任様。



そんなあたしの希望は儚くも散り


「今廊下にある教材を資料室に運べ!!わかったな?!」


はは…わかってたよ。

廊下になんでか大量の何かが置いてあるなって思ってたもん。

絶対に誰かがぱしられるなんて薄々気づいてたもん。


柊斗はあからさまに嫌な顔をして


「めんどくせぇーよ。なんで江本自分で持ってがねぇの?」


あたしもそれはものすごく思ってた。

担任が自分で運んでるのを見たことない。



「あたしもそれ思う!!」


だからあたしも柊斗に便乗して言う。