心の底から君が好き②



あき兄とバイバイして、柊斗と登校中。



「柊斗!あき兄がジャージ貸してくれたよ!」

「まじか!ナイス結菜と結菜の兄ちゃん!」



これで進入する準備は整ったね。


「結菜ー俺結菜の兄ちゃんも好きだ」

「え?!」


唐突な事をいきなり言いだすから、あたしは柊斗を見ながら固まる。

柊斗ってもしかして…


「そういう意味じゃなくって!結菜絶対勘違いしただろ?」

「……」



図星だから何も言えない。

そんなあたしを見て大笑いしだした柊斗。



「結菜!!さすがに俺男は難しいかな…っ!」

「……」



恥ずかしさのあまり頭に火が昇ってるかのように顔が真っ赤になる。

でも柊斗も柊斗だよっ!

いきなり『あき兄も好きだな』なんて言ったら、誰だって勘違いする。



勘違いしたのが相当おもしろかったのか

あたしの肩を何度も何度も叩きながら笑ってる。



このバカたれ…




「柊斗!これ以上バカにしたらヒロの中学行かない!!」


あたしは不機嫌MAXな顔で柊斗と反対の方にそっぽ向く。


その言葉が効いたのか、すぐに笑い声は消えて


「ごめんごめん…ほんとに悪かったよ!この通り!!」



柊斗は今にも土下座しそうな勢いで謝ってる

それは周りにも人が結構いるし困るから…


「わかった!わかったから…普通に戻って!みんな見てる!」



登校中の学生や出勤中の会社員の人たちが

あたしたちをジロジロ見てるのです。