「さてと!どうしようか」
柊斗はソファにドサッと座り、そう言った。
今、柊斗とあたしは秘密基地に来ている。
なんでかというと
『今度あいつの学校偵察しに行くか』
柊斗がヒロ(あたしの弟)の通っている中学校に進入しようと提案したからだ。
ヒロが変だから、俺のライバルになりそうだからって、なぜか経警戒心むき出しの柊斗。
なんで弟に警戒心むき出しなのかよくわからない。
でも久しぶりの母校だし、行きたいなって思ってたから、ちょっとわくわくするかも。
…それで今、作戦を練っていると言う訳です。
あたしも柊斗の隣に座る。
「とりあえずさ、ばれないように変装しなきゃだね」
柊斗が言いたいのは、中学の格好で行こうってことか。
「そうだね。あたしはまだ制服残ってるけど、柊斗どうしようか」
「そうなんだよねー。誰かジャージか制服かしてくれる奴いないかな」
柊斗と同じくらいの身長で同中って誰かいたっけな。
柊斗って179cmで結構高いからね。
あたしは、ハッとした。
「あたしのお兄ちゃん中学の時から180はあった気がする!」
「まじか?!でも結菜の兄ちゃん6歳上って言ってたよな?まだ残ってるんかね?」
た、確かに…もう捨ててる可能性もあり得る。
「でも…一応お兄ちゃんに聞いてみるねっ」
あたしがそう言ったら、にこってした柊斗が
「ありがと結菜。愛してるよ」
そう言い、あたしの頭をなでなでした。
普通に【愛してるよ】なんて言われて、冷静でいれるはずがない。
でもやっぱり嬉しいから
「…ありがとう」
一言だけ。俯きながらだけど…