オオカミと恐竜

考えてみれば、赤ちゃんとはいえ恐竜です。

ライオンよりも、強いはず!

「う~~~……おまえのかあちゃん、でべそ。」

一瞬の緊迫感のあと。

「グォゥゥゥン……」

今度は、ライオンが泣いてしまいました。

泣かせたほうもあっけにとられています。

「……泣いちゃった。」

「うそお?!」

「ゥゥゥ……」

「行っちゃった。」

しょんぼりとした背中を見送った後、恐竜の赤ちゃんはいいました。

「……オオカミくん」

「お?」

「友達って、ままよりもすてき?」

「おう!友達はいいぞお。」

オオカミには、友達など今までひとりもいなかったので、良いか悪いかなんてわかりません。

「ほんとに?」

「おう!」

オオカミはうそをつきました。

「じゃあ……友達になってくれる?」

でもそれは、今までついた中で、

「……っ/// べつに……ぃぃけどよ」

いちばんすてきなうそでした。









END.