重奏 ‐アンサンブル‐

どこにでもありそうな、なんてことないただの復讐劇。


闇が闇で塗り潰されただけのこと。



幕末の動乱の中にかき消され、歴史にさえも残らない。




だが、何もかも消滅した訳ではない。


確かに存在した、その証。




花言葉を知った男が、生涯肌身離さず持っていた。



少し赤黒く染まっている綺麗な紫色をした簪。


万人にはただ薄汚れた使えないであろうその簪。



それだけが、全ての真実を知っている。





一人の男に、強い憎しみと強い愛を誓った少女。

一人の少女に、強い悲しみと強い愛を抱いた男。


そして、2人を祝福してくれるであろう仲間。



そんな奴らの人生(モノガタリ)を。