「その羽織り、新撰組の方々とお見受けします。ですから、近付いても大丈夫と判断した訳です。」



今にも斬りかかられそうな勢いの土方に、少し後退りながらも菖は答える。



「んな理由どぉでもいいじゃん!困ってた俺を助けてくれた心優しき女の子を怖がらせてどうすんだよ!」



菖に対する土方の態度に怒る平助。



「お前もう大丈夫なのか?」


「おう!治った!」


「治るの早っ!」



あっけらかんと言う平助に心配していた沖田は驚く。



「病は気から、とも言いますし。痛みが治まって良かったです。」



「おう!ありがとな!あ、そうだ。お礼にうちに来いよ。」



ニカッと笑い平助は菖を誘う。



「あ゛?」


「(土方さんの目が怖ぇ…)男所帯に女の子連れ込んでどうすんだよ!」


「飯くらい出せんだろ?ここまでしてもらっといて、礼だけ言ってサヨナラなんてひでーことでっきっかよ。」


「まぁそりゃそうだけど…」



平助の言うことにも一理ある。