彼らは、新撰組。

浅葱色の羽織りを纏い、誠の文字を掲げる組織の一員だ。

ここ京都において幕府に仕え、反幕府勢力を取り締まっている。



治安維持の為持ち回りで見回りをしており、今日は一番隊隊長の沖田総司と八番隊隊長の藤堂平助だった。


しかし、いつまでたっても帰ってこない2人に痺れを切らした副長の土方歳三は、探しにやって来たのだ。



「もういい…帰るぞ。これ以上恥を晒すな。」



馬の耳に念仏というか、何というか…諦めにも似た心境で怒る気も失せる。

新撰組の威厳を保つ為にも、この2人を早く連れて帰ろうと土方は思う。



「イッ………―――」



屯所へ戻る途中、小道に入った所で隣を歩いていた平助が視界から消えたので振り返ると、お腹を押さえてうずくまっている。



「平助?どうした?」



沖田の声に土方も振り返る。


「なんだ、腹痛か?まぁあれだけ食べりゃあな…」


「う~」



余程苦しいのか涙目だ。