祐兎は驚きも怒りもせず、
ただ遠くを見つめるように
真っ直ぐ前を見つめた。
「嘘なんでしょ?何か隠してるの?
もしかして・・・、
“定休”っていうのと何か関係ある?
病院に来なきゃいけないのは、
親戚の方じゃなくて、あんたなんじゃないの!?」
不思議だった。
煙草をくわえて、
金髪の髪は日の光に反射する。
口も悪いし、
不良なんて呼ばれてるのに、
どうして飲み物は水なんだろう、
とか、
どうしてバンドなんてやってるんだろう
とか、
なんでさりげなく優しいんだろう
とか、
どうして―!!
「あーあ。
たけしにも祥吾にも気付かれてねぇのになぁ。
なーんでお前にバレるかな」
ため息をついて、祐兎はそう言った。
武田くんにも、
磯部くんにも話していない大事な秘密?
あたしはじっと、祐兎の顔を見つめた。
「俺さ―」
「心臓、悪いらしいよ?」