どんどん苦しそうに息をする祐兎。
これ、本当に腹痛?
なんだかとんでもない病気なんじゃないか
って、急に不安になる。
こいつは強がりだし、
意地っ張りでプライドも高くて・・・。
だから、そんなこいつが
こんなに苦しんでるってことは、
それくらい酷いってことだよね?
どうしよう。
亜貴・・・。
亜貴!!
「麗華!!」
「亜貴!!どうしよう。
祐兎、すごい苦しそう!!」
「落ち着け。こっからだと、
救急車はいらねぇな。
麗華、俺のチャリに乗れ」
「う、うん!」
あたしは言われたとおり、
亜貴の乗ってきた自転車にまたがった。
亜貴は祐兎を背中におぶって走り出した。
あたしもそれについて行く。
手が、震えた。
足も、震えた。
なんだろう。
こんなに不安になったことはない。
どうなっちゃうんだろう・・・。
祐兎、大丈夫?
祐兎・・・。
*
あたしたちはすぐに病院についた。
ここの病院は、以前、祐兎と二人できた、
確か、祐兎の親戚の方が入院しているところだった。
あたし、
こんなところまで連れてこられてたんだ・・・。
知らないはず。
隣町の土地なんて、全然知らない。
それなのに、
亜貴はどうしてここまでこられたんだろう・・・。
亜貴が来て、あたしはすごく安心した。
もし、亜貴が来ていなかったら、
祐兎、死んじゃってたりしたのかな?
なんて、そんなことを考えながら、
自転車を降りて亜貴のあとを追った。

