「え・・・!?」


ちょっと待って。


あたしを誘ってる?


どうして?


ていうか、このバンドのメンバーにはもう既に・・・。




「ドラム・・・。その人なんでしょ?
 だったらあたし、入れないじゃん」



あたしがドラムの真二を指差すと、
亜貴がまた口を開いた。


「ん。だから、
 あんたにやって欲しいパートはヴォーカル」



ヴォーカル?


え?



はぁ!?



「ちょっと、ヴォーカルって何よ!!
 あたしそんなの無理だから!!」


あたし、歌下手くそだし、
人前でなんて到底無理。


ていうか、このバンド、男だけじゃん。


そんななかに、
何であたしが一人で加入せにゃならんのだ!?



「てか、その人がギターボーカルなら、
 別にその人でいいじゃん」



あたしがそう言うと、
みんなはいきなり静まり返った。







え?


何・・・。


あたし、なんか変な事言ったっけ?



黙っていると、
あいつが奥に引っ込んで新しい煙草に火をつけた。



ちょっ・・・!?


あいつ、ここまで連れてきておいて何なの!?




「ちょっと、あんた、ヴォーカルなら、煙草やめなさいよ」



あたしがそいつをじっと睨んでいると、亜貴が口を開いた。