ドサ―





「いったぁ・・・。気をつけてよ!!
 あたし思い切り寝てたじゃん・・・」





尻餅をついた衝撃であたしは目が覚めた。


寝てる女の子落とすなんて最低!!



そう思って祐兎を睨みつけようとした時、
あたしは言葉を失った。










「祐兎・・・?」









いつもの祐兎の姿がなかった。


ただ、
苦しそうにうずくまる祐兎が目の前にいた。





「祐兎!!」



どうして?


さっきあの男達とやりあったときにどこか痛めたの?


どうしよう。
どうしよう。


「祐兎?祐兎!?どうしたの?どこか痛い?」


「・・・なんでもねぇ・・・・腹下したんか・・・な。
 やべっ・・・」


どうしよう、
どうしたらいい?


誰か、誰か・・・!!



誰か?






ピリリリリー



((もしもし?麗華?))




「亜貴!助けて!!祐兎がっ!!」



((モッチー、どんな状況?詳しく説明して。
  あと、今どこにいる?))




電話の向こう側で、
チャリッと何かの擦れる音がした。




「すごく苦しそう。
 急にうずくまって倒れちゃったの・・・。
 呼吸がぜーぜーしてて・・・。ここは・・・
 

 どこだろう、わかんない。
 どうしよう!亜貴、あたしどうしたら―っ!!」




((麗華、落ち着け。汗、かいてたら拭いてやって。
  あとは、上半身を起こすんだ。
  支えてやって、よりかからせておくといい。

  場所はいいから、
  とりあえずそのままでいろよ?すぐ行くから))




亜貴は淡々とそういった。


あたしはすぐに亜貴の言うとおりに、
上半身を起こさせて、寄りかからせた。


目をぎゅっと閉じていて、
冷や汗もすごくいっぱい出ていた。


あたしはハンカチでそのまま拭いてあげた。


そうすると、
電話の向こうで亜貴の声がした。




((大丈夫だから。今向かってっから、
  心配すんなよ?))




「うん・・・。亜貴。
 ありがとう。早く来て―!!」






亜貴-っ!!