祐兎が黙った。
なんで?
どうして助けに来てくれたの?
あたし、誰にも連絡できなかったし、
声も上げられなかったから
助けも呼べなかったのに・・・。
「当たり前じゃん。・・・仲間だし」
「え・・・?」
「いーから。黙って乗っかってろよ」
いつも、こうだ。
あの日、出逢った時もこいつは、
ぶっきらぼうにそういった。
“黙ってついて来いよ”
最初はムカついたけど、
不思議と今のはムカつかなかった。
妙にその大きな背中が心地良くて、眠くなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここはどこ?
夢・・・?
白い空間で、あたしは立っていた。
その先には、祐兎が立っていて―
『祐兎?何してるの?早く行こうよ』
あたしは手を振ってそういった。
だけど、
祐兎は悲しそうな顔をして動かなかった。
『―――』
何?
聞こえない。
もう1回言って?
何ていったの!?
祐兎、
祐兎!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

