「あー。そこ、だから右だって!!」

「うっせぇな!俺が左だっつったら左で正解なんだよ」








「・・・何してんの?」


次の日の放課後。


あたしがいつもより遅れてスタジオに行くと、
武田くん、磯部くん、祐兎の3人で

ゲームを囲んでもめていた。


亜貴がスタジオの隅でベースをいじっている。



「あ、REI。お疲れー」


「モッチー、違うんスよ。そこは絶対右なんスよ」


「だから!左なんだって。
 おい、祥吾。うるせぇから黙ってろ」


「麗華、お疲れ」



亜貴があたしに気付いて静かに笑った。



「ねぇ、亜貴。このおばかさんたちは
 一体何をして盛り上がってんの?」


「ああ、ゲームだよ。
 ダンジョンクリアが出来なくて、
 試行錯誤してんだとさ」






ははーん。



ゲーム、ね。

そう。






「って、何でゲームなんてしてんのよ!!」


「ああ?お前が遅いからだろーが」


祐兎が起き上がってそういった。


こいつ・・・。



昨日はなんかやけに真面目だったから、
少しは見直したのに、いつになくムカつく・・・!!




「昨日の“サンキュ”はなんだったのよ」





あたしがそう言うと、
武田くん、磯部くんの2人が突然ニタッと笑った。